軽量薄型のモバイルノートから豪華装備のオールインワンノートまで、シャープは幅広いノートPCのラインナップを誇っている。そのシャープが、ビジネスモバイルでは採り得ないデザインや機能を付加し、“プライベートモバイル”マシンとして作りだしたのが、本機「PC-CV50F」だ。本体サイズはA5で、一般的なモバイルノートであるB5ノートと比較すると二回り以上小さい。そして最厚部で31.1mmと、ミニノートとしてはかなり薄い部類に入る。重量は約880g、搭載バッテリの公称駆動時間は最大3.5時間、アドオンバッテリ装着により7時間まで駆動時間を延ばせるとアナウンスされている。
プライベートモバイルと言うだけあって、本機の外観はドイツ レーベ社の製品デザインなどを手がけるプロダクトデザイナーで、フェニックスプロダクトデザイン代表のトム・シェーンヘル氏が担当したこだわりのデザイン。ブラックを基調としたボディカラーで、外側は中央部よりもかなり細く仕上がっている、独特のものだ。
キーボードは全体が18.5×7mmの6段配置(カーソルキー下部分を除く)で、主要キーのキーピッチは約14mm。B5ノートと同じタイピング速度を維持するのは厳しいサイズだが、約1.3mmのキーストロークが確保されているのでタッチの感触は良好であり、変則的なキー配列も「@」キーがEnterキー直上と「半角/全角」キーが左Altキーの横にあることだけなので、慣れれば高速タイピングも十分可能だろう。
液晶パネルには7.2インチのワイド液晶パネルを採用し、表示解像度は1280×768ドットとなる。さすがにこのレベルとなると、1ドットあたりのサイズが極小でデフォルトでは文字の認識が厳しいが、画面ズーム機能とワンタッチでアイコンや文字サイズを変更するユーティリティ「見やすいコン」が用意されているので、これらを駆使することで文字の小ささをカバーできる。液晶パネルの品質は、さすが液晶のシャープだけあり輝度、発色ともに液晶TVと比べても遜色はない。
基本スペックはCPUにTransmetaのEfficeon TM8600-1GHzを採用し、メモリは256MBだが、有料アップグレードにより512MBまで増設可能だ。HDDは20GB。標準メモリとHDDがやや少なめだが、動作速度はミニノートとしては軽快である。ネットワーク機能はIEEE802.11bに対応する無線LANのみで、有線LANポートは装備していない。インターフェイスはUSB 2.0が2つ、SDカードスロットが1つ、CFカードスロットが1つと十分な拡張性を持つ。
“VAIO U”シリーズのような超モバイルノートならではの付加機能に乏しい感はあるものの、基本スペックやクリアで美麗な液晶は優秀だ。PDAでは満足できないヘビーモバイルユーザーや、デザインも重要と考えるユーザーなら、無視できない製品である。
(宇野 貴教)